僧帽弁閉鎖不全症に対する低侵襲カテーテル治療:MitraClip

僧帽弁閉鎖不全症(mitral regurgitation: MR、図)は高齢化に伴い増加しています。従来MRに対する根治治療は外科手術しかありませんでしたが、適応があるにも関わらずリスクが高く手術が受けられない方が約半数もいることが分かっています。MRに対するカテーテル治療であるMitraClip(図)は安全かつ低侵襲にMRを減らすことができ、現在世界では6万例以上に対し行われており、MRに対するカテーテル治療では世界で最も行われています。2018年4月より日本でもMitraClipが導入され、我々は日本で最も早く承認を頂いた施設の一つとして、ハートチーム一丸となってこの治療に取り組んでおります。 2020年2月現在、約2年間で90例以上の症例に施行しています。特に2019年は1年間で50例に対して実施し、Mitra clip施行施設として全国でも有数の実績を誇っています。

当院の特色

  • 強固なハートチーム 弁膜症に対するカテーテル治療は医師一人では行えずハートチームが必要不可欠です。当院では循環器内科・心臓外科・麻酔科・放射線科・コメディカルが連携し、海外経験豊富な医師を中心に柔軟かつ強固なハートチームが実現できています。
  • 良好なイメージングの質 このカテーテル治療は超音波(エコー)をガイドに行う特殊な治療で、画像の質が術成績に直接影響します。我々の施設では、海外経験を積んだ超音波専門医で国内プロクター医師のガイドにより治療を行ってまいります。
  • 弁膜症専門外来 当院は10年前より弁膜症の専門外来を設置し取り組んでまいりました。MRをはじめ多くの弁膜症患者さんがこの専門外来を通院されており経験豊富です。より効率的に精査を進め最適な治療を届けします。
  • 風通しの良い他科連携 患者さんは弁膜症のみを患っているわけではなく病態は多様化しています。高齢化を迎えてその傾向はより強くなっています。我々の施設では全科が24時間体制で診療にあたっております。いかなる併存疾患にも対応でき、まさに高齢化社会に合った急性期診療体制です。

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