聖マリアンナ医科大学 循環器内科

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留学体験談

EU圏内医師免許の取得

寄稿者:松田 央郎

空港に降り立った時、すでに薄暗く肌寒い街に不安しか覚えなかったことは今でも鮮明に覚えている。研究ではなく臨床医として留学すると決めて以来、いつしかEU圏内での医師免許取得が自分の一つの目標になっていた。留学の目的はアブレーションの理論、技術の習得をすること、この一点にただひたすらに邁進してきた2年間だった。臨床医としてやる以上、ただ日本から来た客ではなく、きっちり免許を取って周りに能力を認めさせたうえで臨床をやることに意味があると心に決めていた。

患者と直接関わることが許されなかった期間や、語学留学に来ているのではないかと思うくらいドイツ語の勉強に時間と体力を費やしたこと、語学試験を突破した後も労働省と何度も窓口で戦ったこと、今となってはすべて自分の宝物と思える。免許取得後、病院との契約を更新してからはひたすらにメインオペレーターをやらせていただけた。初めて白衣がもらえた時、机が与えられた時、この上なく嬉しかった。契約社会なのだと改めて感じた。免許はあくまで形式的なもの、ドイツで普通に臨床をやるなら持っていて当たり前。ただ、この過程の中でコミュニケーションをとりながら、免許を取るころには不思議とチームの一員になれていた。今思えば、本当に楽しかった。つらかったことはあまりよく覚えていない。

当たり前なのかもしれないが、何かを成そうとする時に大切なのは、自分が何をやりたいのかを明確にしておくことだと改めて気づかされた。今の我々の医局には、こういった経験を積ませてあげられるだけの懐の深さがあり、海外から貴重な経験を持ち帰って還元している医局員も数多い。医局に感謝するとともに、今度は自分が後輩たちに明るい道筋を示してあげられるよう努力を続けていこうと考えている。