聖マリアンナ医科大学 循環器内科

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留学体験談

ベルギー リエージュにおける留学報告

寄稿者:黄 世捷

2012年10月より2014年9月までの二年間、ベルギーのリエージュにあるUniversity hospoital of Liegeに留学して参りました。私は2005年に愛媛大学医学部を卒業後、聖マリアンナ医科大学での初期研修の中で、侵襲的な手技ばかりが循環器の活躍の場ではないと知り入局を決めました。同大学院進学後は、運動耐容能と心臓超音波指標の関連を研究し、大学院卒業後、留学の機会を頂きました。留学に当たっては他の候補施設と熟考した上、自身の研究テーマである運動負荷エコーを突き詰めたいという思いで、施設見学の後にリエージュへの留学を希望しました。

リエージュは、首都ブリュッセルから100kmほど離れた人工60万人ほどのベルギー第5の都市です。リエージュ大学の Luc A Pierard主任教授、ならびにPatrizio Lancellotti教授(2012-2014 EACVI president)は運動負荷をはじめとするストレス負荷エコーのパイオニアであり、現在もヨーロッパの心臓弁膜症を中心にオピニオンリーダーとして活躍されています。

リエージュでの留学生活の初年度は負荷エコーの技術習得とフランス語の習得に費やし、二年目や主に他の留学生への指導と研究業務に専念しました。同院では心臓超音波検査は全て左手によるプローベ保持により実施されており、当初は戸惑いもあったものの、慣れると検者・被験者の双方にとって安全かつ安楽に検査可能で今後、本邦でも普及に努めたい技術の一つです。

留学2年目ではヨーロッパ22施設から集めた健常者心エコーデータを元に、ヨーロッパ心エコー正常値を決定するNORRE studyにも従事し、Core laboとして研究データの解析と第一報の報告を担い、帰国後も解析を継続しています。また日本の日立アロカメディカルが開発したVector Flow Mappingを用いた心内渦流の研究に携わり、ヨーロッパと日本の仲介としての役割も努めました。日本発の技術がいかにヨーロッパでも注目を受けているのかを実感しました。

留学先ではルーマニア・フランス・カナダ・イタリア・ポルトガル・スペイン・モロッコなど、様々な国から運動負荷エコーを学ぶために集まったEchocardiologistsと交流を深めました。

本邦でも負荷心エコーの保険収載が2012年より認められ、今後普及が期待されます。循環器の分野の中でも男女の垣根なく活躍できるテーマだと思います。年間2千件の負荷心エコー検査を誇るリエージュ大学での経験を活かし、日本発の運動負荷心エコーのエビデンスを世界に発信していきたいと考えています。