聖マリアンナ医科大学 循環器内科 

〒216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生 2-16-1

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診療・検査のご案内

末梢血管疾患

近年、日本でも生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、メタボリック症候群、喫煙)の増加から、動脈硬化性疾患が増加しています。動脈硬化は全身のあらゆる動脈に起こり、進行すると様々な症状を発症します。
心臓、大血管を除く動脈を末梢動脈とよび、特に重要な疾患の原因となる動脈とその疾患を下記に示します。

末梢血管疾患

Global vascular treatment

動脈硬化は1つの臓器にのみ起こる病態ではなく、全身の動脈に起こり徐々に進行します。必要な血液が供給出来なくなると、各々の臓器が障害を受け発症します。
各臓器別診療科がそれぞれの疾患を担当するのではなく、全身動脈のマネージメントを1つの診療科で行うことが大切と考えております。
一時予防から始まり、いったん動脈硬化性疾患を発症すれば、内服治療からカテーテル治療、手術に至までをマネージメントし、引き続いて二次予防に努める。この一連の治療を総括して行います。

カテーテルインターベンション

カテーテルを用いて、血管の異常を治す治療全般をカテーテルインターベンションと言います。特に、私たちは動脈硬化によって狭窄ないし閉塞してしまった血管を、内部から拡張し良好な血流を再開させる治療を担当します。
上記に示した末梢血管疾患のうち、頸動脈のみ脳外科が担当し、他は循環器が治療を行います。

カテーテルインターベンション

当院での治療実績

当院の、冠動脈を除く末梢血管疾患に対するカテーテルインターベンションの件数を下記に示します。(冠動脈に関しては他項を参照下さい)

カテーテルインターベンション件数グラフ

重症下肢虚血 Critical limb ischemia :CLI

血流が極端に不足すると、足は安静時にも痛みを来たし、傷をつくると些細なものであっても、治らないばかりか傷は深くなり潰瘍を形成、最重症の場合、組織は壊死を起こしミーラ化してしまいます。
安静時から壊疽に至までの状態を重症下肢虚血といい、特に壊死を起こした状態を足壊疽と言います。
血流が改善しない限り、傷の治癒は困難であり、足の切断が余儀なくされることが少なくありません。
切断部位は傷の範囲では決定できず、血管、血流の良い部位まで切断する必要があります。
状態によって異なりますが、膝より上位で切断されることも少なくなく、義肢を使用しても多くの場合、歩行、立位も困難となります。
従って、血流を改善させることが、この治療では必要不可欠になります。血流を改善させる治療法(血行再建術)として2つの方法があり、1つがカテーテルを使用して、バルーン等で血管を拡張する方法と、バイパス手術が挙げられます。
血管の状態によってどちらが適しているかを検討しますが、まず可能な限りカテーテルによる治療を行っています。
理由としては、以下が挙げられます。

  • 患者様に対しての負担が手術と比較してとても軽いこと。
  • 時間的にも迅速に血流を改善させることが重症化を防ぐ意味でも大切で、比較的容易に受けられるカテーテル治療がこの面でも優れています。
  • 術後の傷がほとんど無く、血流の悪い部分に新たな傷をつくりません。

血管の状態によっては手術が第一選択になる場合もあります。当院では心臓血管外科がその手術を担当します。我々循環器内科医と外科医とで議論の上、最善の手術方法を選択しています。

【CLIの周学的治療】

血行再建のみでも、傷は治りません。
傷の専門家(形成外科、皮膚科)の適切な処置が必要です。
浅い潰瘍程度であれば軟膏処置等治癒することも多いですが、一旦壊死に至と組織は再生しませんので、壊死組織を取り除き(デブリードマンと言います)、切除部位が新しい皮膚で覆われるまで治療が必要です。
範囲が広い場合は植皮と言って、おしり等から皮膚を移植する必要もあります。
また、切除しなければならない範囲が広い場合は、手術室での切除手術が必要になる場合もあります。
従って、壊疽の治療には、我々循環器内科医のみでは、治療は完結せず、多くの専門家の知識、技術が必要となるわけです。

重症虚血肢 (壊疽)

治療前 血行再建術後、小切断のみで治癒
【当院での工夫】
・PADカンファレンス

当院では、他科とのコミュニケーション向上を図るよう、定期的な合同カンファレンスを開き、ケースカンファレンスを開催しています。
循環器内科、心臓血管外科、代謝内分泌内科、放射線科、形成外科、超音波センター、画像診断センターの医師、放射線技師、臨床検査技師が参加し、より良い診療をめざして夜遅くまで討論しております。

・フットケア外来

当院には創傷治癒認定看護師が在籍しており、フットケア外来を開設しております。
傷の処置や、巻爪、魚の目の処置、日常生活における注意事項の指導などに当たっております。

・J.WALK

総合病院とはいえ、病院ごとに規模や得意な分野が異なります。
1つの病院内にこの分野におけるスペシャリストが各科に揃っていることが、理想ではありますが、難しいのが現状です。
そこで、私たちは、他の病院とも連携し、患者さんに、病状に合わせた最適な治療を受けてもらえるような体制を作りたいと考えております。
具体的には血管治療はA病院で行ったが、傷の治りが悪いので、形成外科のスペシャリストのいるB病院に移り、傷の治療を続けるといったことを、スムーズに行いたいと考えています。
そこで結成されたのがJ.WALKです。循環器内科、形成外科、血管外科が主体となって情報交換を行っています。
J.WALKホームページ 【http://www.jwalk.jp/

【特殊治療】
LDLアフェレーシス

LDLアフェレーシス特殊な血液透析の1つと考えてください。
LDLコレステロールを血液から取り除くために開発されたフィルターを使用します。
LDLコレステロール以外にも血液凝固因子も取り除く効果があり、血液がサラサラになることで、末梢循環が改善し血流の不足している組織にも血液循環を改善させ、傷の治癒を促すことになります。
血液透析と同じ方法で行いますので、血液を体外に抜いて、戻すためのルートが必要になります。
専用のカテーテルを太い静脈に留置する処置を事前に行います。

専門外来

血管外来(水曜日午後 担当医師:茶谷 健一 講師)

初診の患者様は随時初診外来にて受け付けております。